2025.10.16 採用

面接の録音はOKなの?メリットや有効活用の方法など詳しく解説

面接を録音して、評価や振り返り、面接の質向上などに活用したいと考えている採用担当者も多いと思います。

しかし「法律的に問題ないのか」「どうすればスムーズに録音できるのか」など疑問に感じ、実行をためらっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、面接を録音するのは法律的に問題ないのかや注意すべきポイント、録音するメリット、具体的なツールの選び方、そして有効活用する方法まで詳しく解説します。

面接を録音しても法的に問題はない!注意点と合わせて解説

結論から言いますと、当事者である企業が面接を録音しても、法的には問題ありません。無断での録音を禁じている法律が、存在していないためです。

ただし、以下のような点を守らないと深刻なトラブルにつながるので、注意しましょう。

(1)必ず事前に同意を得る

企業側が録音を行う際は、面接の開始前に必ず応募者に対してその旨を伝え、同意を得ましょう。

無断での録音は、応募者との信頼関係を損なうだけでなく、倫理的に問題視される可能性があるからです。場合によっては、クレームに発展するかもしれません。

万が一、トラブルに発展した場合も、事前に同意を得ることで、影響を最小限におさえられます。

同意を得る際には、「面接内容を正確に記録し、公正な評価に役立てるため、録音させていただきます」といったように、目的を明確に伝えると、応募者に安心感を与えられます。

(2)録音内容を外部に公開しない

録音データは、応募者の個人情報(氏名、声など)を含むため、個人情報保護法の対象となります。取得目的を明確にし、その目的の範囲内でのみ利用することが求められます。

また、録音内容を漏えい・公開し、応募者の社会的評価に悪影響を与えた場合は、名誉毀損にあたり違法となるリスクがあります。

名誉毀損にならなくても、プライバシー侵害や個人情報保護法違反となるかもしれません。

違法となった場合の影響は、非常に大きいため、注意が必要です。例えば、個人情報保護法に違反した場合は、行政処分や刑事罰、損害賠償請求の対象となります。

面接を録音する場合は、厳重な管理体制を敷き、絶対に情報漏洩を起こさないようにしましょう。

(3)データの取り扱いを明確に伝えること

録音したデータの保管期間や、選考不採用となった場合のデータの削除方法など、取り扱いに関する方針を明確にし、応募者に説明することが重要です。

事前にしっかり説明して確認することで、応募者の安心や信頼につながります。

(4)事前にテストする

機械トラブルや操作ミスが原因で、録音に失敗するケースもあります。また、録音に手間取っていると、応募者にマイナスな印象を与えてしまうかもしれません。

事前にテストしておくことで、確実かつスムーズに録音できます。

評価の精度向上につながる!面接を録音するメリットを紹介

面接の録音には、細心の注意が必要ですが、それでも実施するメリットは大きいといえます。主なメリットは、以下の通りです。

(1)評価の精度を向上できる

面接内容の正確な記録が残せるため、見落としを防ぎ、公平な評価をしやすくなります。

特に採用担当者が複数いる場合は、応募者の発言内容や質疑応答のニュアンスを後から正確に確認することで、評価のばらつきをおさえられます。

(2)面接官の育成に活用できる

経験の浅い担当者による面接の録音をベテラン担当者がレビューすることで、質問の仕方や応募者への対応方法について具体的なフィードバックができます。

担当者全体の面接スキルが向上し、企業の採用力強化につながります。

(3)トラブルを防止できる

面接での合意内容を後から正確に確認できるため、内定後のトラブル防止に役立ちます。特に、給与や勤務条件など重要な取り決めについては、録音データがあることで、認識の相違があってもスムーズに解決できます。

また、応募者からのクレームやハラスメントなどの対策にも効果的です。

面接の録音ってどうすればいいの?おすすめのツールを紹介

面接の録音方法は下記の通りです。

(1)ボイスレコーダー

ボイスレコーダーは録音に特化した機器のため、高音質でクリアな音声を記録できるのが大きなメリットです。そのため、会議やインタビューなど広く使用されています。

小型で目立たない機種も多く、相手に威圧感を与えることなく利用できます。

(2)スマートフォン

スマートフォンに搭載されている録音機能や録音アプリも面接の録音に適しています。無料で使用できるものも多く、コストをおさえて導入できる点がメリットです。

ただし、着信や通知で録音が中断するリスクや、音質が悪いと後で聞き取りにくいというデメリットもあります。

また、セキュリティ面から、個人のスマートフォンでの録音は避けましょう。

(3)Web会議システムの録音・録画機能

Web面接の場合は、Web会議システムに搭載されている録音・録画機能を利用するのが、最も手軽です。

ZoomやGoogle Meet、Microsoft TeamsといったWeb会議システムの多くに、録音・録画機能が搭載されているため、導入コストがかかりません。

(4)文字起こしツール

Web会議に対応した文字起こしツールでは、面接の内容を録音するだけではなく、文字起こしも行えます。

テキスト化することで、録音を聞き直して議事録を作成する手間が省け、面接後の業務を大幅に効率化できます。さらに、チーム内での情報共有やワード検索がしやすくなります。

話者を自動で識別する機能があるツールが多い点もメリットです。

その他、パソコンの内蔵マイクやパソコン画面全体を録音・録画するツールなども活用できます。面接方法や予算などによって自社に適したものを選びましょう。

面接の録音データを有効活用する方法って?おすすめの使い方を紹介

面接で録音したデータを有効活用する主な方法を2つ紹介します。

(1)面接官のトレーニング

録音された面接内容の分析によって、面接官ごとの質問の傾向や、良い質問・悪い質問の例、口調や話の展開の仕方などの話し方について把握できます。

分析結果を参考に面接官にフィードバックすることで、スキルを均一化でき、応募者への対応品質向上につながります。

また、自分の録音を聞き振り返りをする、新人面接官に手本としてベテランの面接を聞いてもらうといった方法も効果的です。

(2)選考プロセスの見直し

録音データを分析することで、どのような質問で応募者の本音を引き出せるか、どのような説明が理解されにくいかといった傾向が見えてきます。

これにより、面接の質問項目や進め方を見直し、より効果的な選考プロセスを構築できます。

まとめ

面接の録音は法的に問題ありませんが、応募者の事前同意を得ることが必須です。録音データは個人情報保護法の対象となるため、厳重な管理と適切な取り扱いが求められます。

面接を録音する主なメリットは、評価精度の向上、面接官育成への活用、トラブル防止です。複数の面接官による評価のブレを抑制し、公平な選考を実現できます。

主な録音方法は、ボイスレコーダー、スマートフォン、Web会議システムの録音機能、文字起こしツールです。特に文字起こしツールは、音声をテキスト化することで情報共有や検索が容易になり、業務効率の大幅な向上につながります。

録音データは、面接官のスキル向上を目的としたトレーニングや、選考プロセスの改善に活用できます。適切に面接を録音・活用することで、採用活動の質の向上と会社全体の採用力強化が期待できるでしょう。

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