2026.01.23 採用

人事評価制度で社員の成長を促す!基本設計と運用改善について解説

俯瞰の構図。ビルの前でスーツを着た男女が握手をしている写真。

人事評価制度は、社員の能力を最大限に引き出し、組織のパフォーマンスを高める重要な役割を担っています。

しかし「形骸化している」「社員からすると評価に納得感がない」といった課題を抱える企業も少なくありません。

本記事では、評価制度に課題を感じる人事担当者に向けて、人事評価制度の役割などの基礎知識と評価制度を設計する方法、さらには運用・改善のポイントを解説します。

自社に最適な人事評価制度を実現するために、ぜひ参考にしてください。

人事評価制度ってそもそも何?役割や要素について解説

人事評価制度は、社員のパフォーマンスをどのように評価し、給与・賞与・役職などの処遇に反映するかを決める仕組みのことです。

単に給与を決める手段ではなく、経営戦略と人材戦略を結びつけ、社員の成長を通じて企業価値を高める重要な経営ツールです。

(1)人事評価制度の3つの役割

1つ目は、社員が成長を目指して努力する動機付けです。評価制度を整えることで、社員は成果を出せば給与アップなどのメリットがあると理解し、成長意欲が高まります。

2つ目は、人材育成と能力開発の指針です。評価制度によって、会社が社員に求める成果や行動を明確にすることで、「○○のスキルがあるから高い評価を得られている」など社員が自分の能力を把握できます。評価結果に基づいて、個別フィードバックを実施し、必要なスキルの方向性を伝えるのも、社員の成長に効果的です。

3つ目は、公平な人事の維持です。人事評価制度がなければ、評価者によって評価基準にばらつきが出るかもしれません。客観的な根拠に欠ける評価をしてしまうと、社員の意欲が低下したり、キャリアプランの形成が難しくなったりします。適切な人事評価が行われていれば、待遇に差が生じても、社員は納得しやすいでしょう。

(2)人事評価制度の基本となる3つの評価要素

人事評価制度の代表的な基準は、「成果についての評価」「能力についての評価」「行動についての評価」の3つです。

・成果についての評価
設定した目標の達成度や業務の成果といった結果を評価対象とし、主に賞与などの処遇決定に用いられます。売上や利益など数値化しやすい項目が主ですが、達成までのプロセスや業務量なども対象になります。

・能力についての評価
業務遂行にあたり必要な知識やスキル、行動力を評価対象とし、昇給・昇格の判断や、人材育成の方向付けに活用します。例えば、専門知識や資格、課題遂行能力などが評価されます。

・行動についての評価
協調性、積極性といった仕事に取り組む姿勢を評価します。成果だけでなく、チームで協力して取り組めるか、企業理念への貢献度なども評価することで、数字には表れない社員の努力や姿勢を公正に評価できます。

効果的な人事評価制度を実現するために!設計方法を解説

ここでは、人事評価制度を設計する流れと設計時に注意すべき点を紹介します。

(1)評価項目を決める

人事評価制度が社員の行動指針となるよう、経営戦略や事業計画、企業理念などを確認し、それらに貢献できるよう評価項目を決めます。

社員に求める成果や行動を踏まえ、今期の売上や企画力などの評価項目を決めます。

(2)点数のつけ方や集計方法を決める

評価する項目が決まったら、客観的に判断できる具体的な基準を設定します。基準が曖昧だと、評価者の主観が入り込み、公平な評価が難しくなります。また5段階評価など点数を集計する方法も決めます。

(3)評価担当者を選定する

一般的には、人事評価は直属の上司が担当します。しかし、公平な判断をするために、他部署の社員による評価を実施するケースもあるので、自社の状況に合わせて選択しましょう。

評価者が複数の場合、多様な視点から評価できる反面、運用や意見のすり合わせなどの手間が大きい傾向があります。

(4)評価を何に反映するのかを決める

人事評価制度をスタートする前に、必ず評価をどのように反映させるのかを決めておきましょう。社員の意欲向上につながる、公平かつ納得感のある内容で、昇格や昇給、ボーナスなどのルールを具体的に決めます。

人事評価制度の導入を成功させるために!おさえるべきポイント

人事評価制度をスムーズに定着させるには、次のような点を意識しましょう。

(1)社員への説明

新しい人事評価制度をスムーズに運用するには、社員の理解が不可欠です。必ず全ての社員に対し、導入の目的・評価の仕組み・反映方法などを丁寧に説明します。

経営計画発表会などで社長の言葉で伝えると、より良いでしょう。

(2)評価基準の統一

公平な人事評価制度を設けても、評価者の基準にバラつきがあると適切に運用できません。評価者を対象に研修を実施し、制度の目的や評価基準、公平な評価のための注意点、面談の進め方などを学ぶ機会を設けましょう。

(3)評価しやすい仕組みづくり

評価項目が多すぎたり、手続きが複雑すぎたりすると、評価者の負担が大きくなりすぎ、評価作業が形骸化します。質の高いフィードバックに時間を割けるよう、評価項目は本当に必要なものに絞り、シンプルで運用しやすい設計にすることが重要です。

評価制度を具体的に落とし込み、評価項目・評価基準・フィードバック欄などを設けた評価シートを作成するのも効果的です。

人事評価制度のパフォーマンス向上に!運用のコツ

人事評価制度を適切に運用することで、組織の成長につながります。効果的な運用方法を紹介します。

(1)定期的な見直し

実際に運用してみると、導入前に予見できなかったさまざまな課題が出てきます。社員からの意見や会社を取り巻く状況の変化に合わせて、定期的に見直して改善することで、より自社にマッチした効果的な制度へと改善できます。

(2)評価面談を成長の機会にする

評価面談は、結果を伝える場ではなく、社員の成長を支援するための対話の場として位置づけるとよいでしょう。

面談では、まず成果に対する客観的な評価と、その根拠となった事実を伝えます。そして、来期に向けて会社が期待することを具体的に伝え、目標を設定しましょう。過去の評価と未来への期待を分けて伝えることで、社員は次に何をすべきかが明確になります。

目標が達成できなかった場合も、上司が一方的に指摘するのではなく、社員自身に原因を分析させることが重要です。社員が自発的に自分を顧み、行動計画を立てられるようサポートしましょう。

また、改善点を指摘する前には、必ずよくできている点や努力の過程を具体的に認めるようにしましょう。社員のモチベーションを維持し、フィードバックを受け入れやすくするための心理的安全性を高める効果があります。

(3)評価基準の徹底

実際の評価ケースを用いた模擬評価を複数の評価者で行い、評価者間で点数や評価理由を共有します。評価のばらつきを是正するための議論を行うことで、全社的な評価基準のすり合わせができ、評価の公平性を高められるでしょう。

(4)求める人材に合わせた評価制度への改善

自社に必要な人材に合った評価制度に見直すのも重要です。採用ターゲットを明確化し、ミスマッチを防ぐきっかけになります。

例えば、これまでの評価制度が個人成果のみを重視していたため、チームワークを重んじる人材が定着しなかった場合、評価制度に「チーム貢献度」などの項目を新設します。これにより、採用活動においてもチームで活躍できる人材を重点的に採用するという一貫したメッセージを発信できるでしょう。

まとめ

人事評価制度には「社員の動機付け」「人材育成の指針」「公平な人事の維持」という3つの役割があり、「成果」「能力」「行動」の3要素で評価します。

設計時は、経営戦略に基づいて評価項目を決定し、客観的な基準と集計方法を設定します。導入時は社員への丁寧な説明と評価者研修が重要です。

運用面では、定期的な見直しを行い、評価面談を社員の成長支援の場として活用します。評価者間で基準を統一し、自社が求める人材像に合わせて制度を改善することで、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

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