2026.01.23 採用

はじめて組織開発に取り組む方へ!基本概念から具体的な方法まで解説

PCを操作する手元を映す写真。ピクトグラムなどで組織を表している。

「組織の統率が取れていない」「部署間の連携不足が原因で、業務が遅れることが多い」といった悩みを抱える人事・採用担当者も多いのではないでしょうか。

市場や働き方の多様化など環境の変化がめまぐるしい現代において、これまでのマネジメント手法だけでは解決できない組織課題が増加しています。

そこで重要なのが、組織内の人間関係や文化を改善する「組織開発」の取り組みです。

しかし、組織開発という言葉は範囲が広く、何から手をつければよいのか迷ってしまう方も少なくありません。この記事では、組織開発の基本的な考え方から、具体的な進め方、明日から取り入れられる施策例までを詳しく解説します。

組織開発とは?人材開発との違いについても解説

組織開発と混同されがちな概念が「人材開発」です。組織をより良くするという目的は共通していますが、そのアプローチの対象が大きく異なります。

ここでは、組織開発の基本的な概念と人材開発の違い、必要とされている背景について解説します。

(1)組織開発の定義と目的

組織開発とは、組織内の関係性や行動プロセスに働きかけ、組織全体の健全性や効果性、自己革新力を高めるための活動です。

単にシステムや制度を導入するだけでなく、行動科学に基づき、従業員間のコミュニケーションを活性化し、当事者意識を持って問題を解決できる状態を目指します。

具体的には、目に見える売上や成果だけでなく、その根底にある目に見えない文化や関係性にフォーカスすることが特徴です。組織内の心理的安全性が高まり、個人のビジョンと組織の目標がリンクすることで、自律的に変化し続ける組織へと進化させられます。

(2)人材開発との違い

人材開発は、個人のスキルや知識、能力を高めることに重点を置きます。研修や資格取得の支援などを通じて社員一人ひとりのパフォーマンスを最大化させるアプローチです。

一方で組織開発は、個人から組織全体まで幅広い範囲を対象としています。どんなに優秀な人材が集まっても、関係性が悪ければ成果は上がりません。逆に、組織開発によって土台が整っていれば、相乗効果が生まれ、パフォーマンスの大幅な向上が期待できます。

(3)組織開発が必要とされる理由

現代社会は、VUCA(予測が難しく変化が激しい社会・経済情勢)だと言われています。そのため、過去の成功体験に基づくトップダウンの経営だけでは限界があります。現場の一人ひとりが状況を判断し、柔軟に動くためには、組織としての柔軟性と結束力が不可欠です。

また、転職が一般的になり、働き方が多様化しているため、組織に愛着を感じ、長く活躍してもらうためのエンゲージメント向上も重要な経営課題です。

組織開発は、事業成長と社員一人ひとりがずっと働きたいと思える環境づくりにおいて、最も本質的な施策のひとつです。

組織開発をスムーズに進めるために!具体的な5ステップ

組織開発をスムーズに実現するには、場当たり的に取り組むのではなく、継続的なプロセスに基づいて進める必要があります。一般的に、次の5ステップで行います。

(1)現状の把握と課題特定

最初に、組織の現状を正確に把握することから始めます。「部門間のコミュニケーションが不足している」「風通しが悪い」など、経営陣や人事・採用担当者が感じている課題を、客観的に検証します。

具体的には、離職率・残業時間・メンタルヘルスに不調を抱える社員数などの人事関連のデータ分析や従業員のアンケート調査、さまざまな階層の従業員へのヒアリングなどを実施します。

この段階で重要なのは、先入観を持たずにデータを集めることです。特定の部門の離職率が高い、会議で特定の人しか発言していないなど、客観的な事実を集めることで、課題の真因が見えてきます。

また、結果だけではなく、結果の背景にある構造やプロセスに注目することで、より本質的な課題を見極められます。

(2)フィードバックと対話

収集したデータや現状を、組織の従業員に共有します。単に結果を伝えるだけでなく、そのデータを見てどう感じるか、現場の視点ではどう見えるかを議論する場を設けることがポイントです。

フィードバックと対話により、従業員たちが組織の課題を自分事として捉えられるようになり、変化のきっかけになります。

(3)アクションプランの策定

見えてきた課題に対し、どのようなアクションを起こすかを決定します。ここでは、人事主導で制度を作るだけでなく、現場の従業員が主体となって動けるようなプランを立てることが理想的です。

例えば、「他部署との連携が薄い」という課題があれば、シャッフルランチやプロジェクトの合同報告会を企画するなど、具体的な行動に落とし込みます。最初から大きく始めるのではなく、取り組みやすいアクションを設定し、成功体験を積み重ねることが重要です。

(4)アクションプランの実行

策定したアクションプランを実行します。計画通りに進めるだけではなく、実行に伴う変化や従業員の反応をよく観察し、状況に合わせて計画を修正し、改善します。

一度アクションプランを実行して満足するのではなく、例えば1on1を導入後に成功事例を共有するなどのフォローをすることが重要です。

(5)評価と定着化

実行したアクションがどのような変化をもたらしたかを評価します。再度アンケートを取る、あるいは行動変化を観察し、効果があったものは組織の習慣として定着させていきます。

組織開発に終わりはありません。一度変化を起こしても、外部環境が変われば新たな課題が生じます。一連のプロセスを繰り返すことで、常に組織を進化させ続けられます。

現場で取り入れやすい組織開発とは?具体的な施策例4選

組織開発で行われる施策は、多種多様です。ここでは、現場で取り入れやすい施策例を4つ紹介します。

(1)ビジョン・ミッションの再構築と浸透

組織が目指す方向性が曖昧だと、従業員の力は分散してしまいます。ビジョン・ミッションを刷新し、浸透させる取り組みは、組織開発において重要です。

経営陣だけでなく現場の従業員も巻き込んで、自分たちが何のために存在し、どこを目指すのかを言葉にするワークショップなどは非常に有効です。

また、理念を反映した業務プロセスの構築や理念に基づいた行動・成果の共有も、浸透につながります。

(2)1on1ミーティングの質向上

上司と部下が定期的に対話する1on1は、組織開発のなかでも特に広く知られている施策です。単なる進捗報告ではなく、部下のキャリア観や今の課題に寄り添うことで、部下が自ら考え行動する力を伸ばせます。

(3)ワークショップ

アクティビティや議論などを通じて、普段の業務から離れてお互いの価値観や背景を理解し合う場をつくります。ワークショップの代表例は、今の気持ち・考えを率直に共有するチェックイン、不確かな問題について全員で議論するブレインストーミングです。

特に、新しく組成されたチームや、対立が生じているチームにおいて、相互理解を深める効果があります。

(4)ナレッジシェアの仕組みづくり

個人のノウハウを組織全体で共有する文化を作ることも組織開発の一環です。社内SNSの活用や、成功事例・失敗事例を共有する勉強会を通じて、学び合う組織づくりができます。

ナレッジシェアを積極的に行うことで、業務効率向上や革新的なアイディアの創出につながります。

まとめ

組織開発は、組織内の関係性や文化を改善し、自律的に変化し続ける組織を目指す取り組みです。

変化の激しい現代において、トップダウンだけでは限界があり、現場の一人ひとりが主体的に動ける環境づくりが欠かせません。

現状把握から始まる5つのステップを継続的に実践し、ビジョンの浸透や1on1、ワークショップなどの具体的な施策を通じて、組織をより良いものにしていきましょう。

組織開発に終わりはなく、常に進化させ続けることで、事業成長と従業員エンゲージメント向上を両立できます。

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