2025.07.22 転職エージェント

人材紹介会社とは?仕組み・メリット・選び方を採用担当者向けに解説

人手不足が深刻化するなか、効率的な採用活動を進める手段として人材紹介会社の活用を検討する企業が増えています。

しかし、サービス内容や費用について正しく理解できていない採用担当者も少なくありません。

この記事では、人材紹介会社の仕組みやサービス内容、利用するメリット・デメリット、さらには選定時のポイントまで、採用担当者が知っておくべき情報を分かりやすく解説します。

人材紹介会社とは何か?その仕組みとサービス内容を解説

最初に人材紹介会社の基礎知識について解説します。

(1)人材紹介とは

厚生労働大臣から許可を受けた「有料職業紹介事業所」のことで、「転職エージェント」とも呼ばれています。

企業からの依頼を受け、求める人物像に適した人材を紹介する役割を担っています。人材紹介サービスは、企業と求職者の間に立ち、最適なマッチングを通して、雇用契約の成立を支援します。

人材紹介会社のビジネスモデルは、採用が決定してから初めて企業側から手数料を受け取る「成功報酬型」が一般的です。そのため、求職者は無料でサービスを利用でき、企業側も初期費用をかけることなく採用活動を始められます。

手数料は、入社が決まった人材の初年度年収の25〜35%程度が目安です。ただし、専門性の高い職種やエグゼクティブ層など、採用難易度が高い人材の場合は、高めに設定されることもあります。

人材紹介会社の多くは、早期退職が発生した場合に備えて、手数料の一部を返還する制度を設けています。

(2)人材紹介のサービス内容

企業から募集背景や抱えている採用課題、求める人材などを詳しくヒアリングし、採用戦略を提案。企業の採用要件に合った求職者を選定し、紹介します。

人材紹介会社によって詳細は異なりますが、求人票の作成サポート・面接日程の調整・応募者への合否連絡・給与や労働条件などの条件交渉の代行もサービスの一環です。

採用業務の多くを人材紹介会社が代行するため、採用担当者は本来の業務に集中できます。

(3)人材紹介の種類

人材紹介には、大きく分けて3種類があります。

・一般型

最も普及している人材紹介の方法で、人材紹介会社に登録している求職者のなかから、企業が求めるスキル・経験・人柄に合った人材を紹介します。

・サーチ型

役員候補をはじめとするエグゼクティブ層など、特定の専門スキルが必要なポジションに対して、ヘッドハンティングを行います。

・アウトプレースメント型(再就職支援型)

雇用調整や倒産などにより、職を失った社員の再就職を支援する方法です。研修など社員のスキルアップや解雇手続きなども、人材会社が代行する場合があります。

初期費用が不要!人材紹介会社を利用するメリットとは

人材紹介会社を利用した採用活動には、以下のようなメリットがあります。

(1)初期費用がかからない

人材採用は成功報酬型のため、採用が成功するまで費用は発生しません。これにより、採用活動のリスクを最小限に抑えながら、優秀な人材を探すことができます。

転職サイトの場合は、一般的に求人広告を掲載しただけで費用がかかります。コストをかけたのにもかかわらず採用できないといった事態を避けるには、人材紹介が有効です。

(2)採用担当者の負担を減らせる

求人票の作成・候補者の選定・面接日程の調整・合否の連絡・条件交渉まで、人材紹介会社が代行することで、採用担当者は本来の業務に集中できます。

また人材紹介会社による選定を通過した求職者とだけ、面接をすれば良いので、面接による負担も軽減できます。

特に中小企業など、専任の採用担当者がいない企業にとっては、大きなメリットです。

(3)非公開で募集できる

人材紹介会社では、通常の転職サイトには掲載しない「非公開求人」や自社でのみで募集する「独占求人」も取り扱っています。

新規プロジェクトのための人材募集や、競合他社に動向を知られたくない場合など、機密性を保ちながら採用活動を進めることができます。

(4)長期に活躍する人材を雇用できる

企業との直接雇用を前提に求職者を紹介するため、人材派遣のような雇用契約の縛りがありません。

「事業戦略に沿った人材育成をしたい」「長期間働いてもらいたい」といった場合、人材紹介会社の利用がおすすめです。

採用コストが高め?人材紹介会社を利用するデメリットとは

人材紹介会社を利用するメリットは大きい反面、気をつけるべきデメリットもあります。

(1)コストが比較的高い

人材紹介は、他の採用手法と比べて一人当たりの採用コストが高くなる傾向にあります。

年収600万円で採用する場合、手数料率を25%とすると、手数料は150万円です。希少性の高い人材の場合は、手数料がさらに高く設定されることもあります。

(2)マッチする人材が見つからない場合がある

登録している人材の人数によっては、希望する条件の候補者が見つからない可能性もあります。

特に研究者など専門性の高い職種や地方での採用の場合、十分な候補者を確保できないかもしれません。

(3)採用ノウハウを習得できない

人材紹介会社に依存しすぎると、採用ノウハウを得られないリスクがあります。いざ自社だけで採用しようとすると場合に必要なプロセスが分からない、トラブルに対応できないなどのリスクがあります。

人材紹介会社に頼るだけではなく、長期的な視点で採用戦略を考えることが大切です。

大切なのは特徴を知ること!採用成功につながる人材紹介会社を選ぶ方法

人材紹介会社を利用して採用を成功させるには、以下のようなポイントを押さえる必要があります。

(1)自社に合った種類の人材紹介会社を選ぶ

求める人材や自社の状況によって、一般型・サーチ型・アウトプレースメント型のどれが合うかは異なります。

一般型はさらに「総合型」と「専門型」に分かれます。

総合型は、業界・職種・年齢などの制限を設けず、幅広い求人を取り扱います。登録する求職者の数が多く、幅広い人材と出会える可能性があります。

専門型は、特定の業界・職種などに特化した求人紹介です。専門性の高い人材が多く登録しています。

例えば「営業経験があれば業界経験は問わない」のであれば総合型、「医療現場での実務経験を持つ人材をアプリケーションスペシャリストとして採用したい」という場合は専門型といったように、使い分けると効率的です。

(2)登録者数と実績を確認する

登録者数と実績を確認することで、本当に自社にマッチする人材を紹介してくれるかを見極められます。

登録者が多い人材紹介会社であれば、要件に合った人材を紹介してもらえる確率が上がります。採用したい職種の採用実績が豊富な人材紹介会社であれば、広いネットワークを持っていたり、的確なアドバイスをもらえたりする可能性が高いでしょう。

(3)サポート体制を確認する

登録している人材が豊富でも、サポート体制が不十分だと、採用活動はスムーズに進みません。

ヒアリング時に、業界の動向や転職市場に関する知識を十分に持っているか、成功事例を具体的に説明できるかを確認しましょう。

優秀な担当者は、企業の課題を正確に把握し、適切な解決策を提案できます。また、連絡の迅速さや誠実な対応も、良好なパートナーシップを築く上で欠かせない要素です。

まとめ

人材紹介会社とは、企業の依頼を受け、マッチする人材を紹介するサービスを提供する会社です。

人材紹介は、初期費用がかからない、採用工数を大幅に削減できるなど多くのメリットがある採用手法です。

しかし、一人当たりの採用コストが高くなる点や、マッチする人材が見つからない可能性がある点などデメリットがあります。

人材紹介会社を活用した採用を成功させるには、まず自社のニーズに合った種類の会社を選ぶことが大切です。そのうえで、登録者数や実績、サポート体制をしっかり確認しましょう。

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