2025.11.18 採用

SNS採用で欲しい人材を獲得!基礎知識から活用方法まで詳しく解説

転職市場では人材獲得の難易度が高まっており、従来の求人広告だけでは企業の魅力を伝えきれないという課題があります。

そこで注目されているのが、SNSを活用した「SNS採用(ソーシャルリクルーティング)」です。

SNS採用は、企業が自社のカルチャーや日常を親しみやすく発信でき、候補者とのエンゲージメントを深めることで、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

この記事では、採用に活用できるSNSの種類と特徴、SNS採用のメリット、成功事例、成功のポイントを解説します。

採用活動に使えるSNSの種類と特徴って?代表的な6つを紹介

SNS採用とは、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSを活用した採用手法です。企業文化や日常を画像や動画、テキストなどで発信し、候補者との双方向コミュニケーションを通じて、従来の求人広告では届かない潜在層にもアプローチできます。

SNS採用に使用する主なSNSは、以下の通りです。

(1)LINE

LINE公式アカウントを作成し、求職者に情報を届けたり、コミュニケーションを取ったりする手法です。また、LINEニュースなどに採用コンテンツを掲載し、認知拡大や応募につなげる手法もあります。

ユーザー数が多いため、年齢を問わず、幅広いターゲットにアプローチできます。直接メッセージでやり取りできる点もメリットです。

ただし、LINEそのものはプライベートな連絡ツールのため個人情報の管理を徹底する必要がある、やり取りがひんぱんになると求職者の負担となりブロックされるといったデメリットもあります。

(2)X(旧Twitter)

リアルタイム性と拡散性の高さが特徴です。短いテキストで企業ニュースや採用イベントなどの情報をスピーディーに届けられます。

投稿がリツイートされることで、フォロワー以外にも情報が広がりやすく、企業認知度の向上や大規模な母集団形成に適しています。

ただし、情報が流れてしまいやすい、炎上リスクがあるといったデメリットもあるので、注意が必要です。

(3)Instagram

写真や動画などのビジュアルコンテンツがメインで、10代から30代の若年層に人気があるSNSです。ストーリーズやライブ配信機能も充実しており、職場の雰囲気や社員の表情、企業カルチャーを直感的に伝えるのに向いています。

主なデメリットとして、テキスト情報が少ないため詳しい説明がしにくい点と、ビジュアルコンテンツの制作に時間がかかる点の2つがあげられます。

(4)Facebook

実名登録が基本で、30代から50代のビジネス層の利用が多い傾向にあります。専門性の高い人材やミドル層の中途採用において、精度の高いターゲティングができる点が魅力です。

グループやイベントによるコミュニティ形成ができるため、長期的な関係性構築に向いています。

ただし、若年層の利用率が低いため、新卒や若手の採用には向いていません。

(5)LinkedIn

職歴やスキルを公開しているユーザーが多く、専門スキルを持った人材をダイレクトにスカウトするのに適しています。20~30代の登録者が多く、若手のハイスキル人材にもアプローチしやすいでしょう。

デメリットとして、他のSNSに比べて国内のユーザー数が少ない点があげられます。

(6)YouTube

動画コンテンツを通して、視覚的・聴覚的な情報を幅広く届けたい場合に適しています。ユーザーの年齢層が広いため、新卒採用・キャリア採用どちらにも活用しやすいSNSです。

ただし、動画の作成にコストや時間がかかる、他社のチャンネルとの競争が激しく認知が広がらないリスクがあるといったデメリットもあります。

ちなみに同じく動画コンテンツに特化したSNSであるTikTokは、10~20代のユーザーが多く、新卒採用や若手採用向きです。

自社のリアルな姿を伝えられる!採用活動にSNSを使うメリット

SNS採用の主なメリットは、以下の通りです。

(1)採用コストを削減できる

多くのSNSは、無料でアカウント開設や基本的な情報発信ができ、求人広告費をおさえながら、採用活動を進められます。

特に採用予算が限られている企業にとっては、費用対効果の高い採用手法といえます。

(2)企業文化やリアルな社風を発信できる

社員の働く様子や社内イベントなど、企業のリアルな日常を写真や動画で伝えられます。

求職者の多くは、社員の人柄や会社の雰囲気を重視しています。企業の個性やカルチャーを具体的に示すことで、入社後のミスマッチを防ぎ、定着率向上につながるでしょう。

(3)潜在層にアプローチできる

まだ転職活動をしていない層にも、SNSを通じて企業の情報を届けられます。

日ごろからSNSをチェックしているユーザーに、魅力的なコンテンツが届くことで、転職意欲を刺激し、母集団を拡大できます。

(4)求職者との双方向コミュニケーションができる

SNSでは、コメント機能やダイレクトメッセージを通じて、求職者と気軽にコミュニケーションが取れます。信頼関係や親近感が生まれやすく、応募意欲の向上や内定承諾率アップにつながります。

企業のミッションを動画で共有!SNS採用の成功例

実際の採用の場で、SNSがどのように活用されているのかを紹介します。

(1)企業のミッションを動画で共有し共感を得る

経営層が自社のミッションを語る動画や、社員が入社理由を語るインタビュー動画をYouTubeで配信する施策です。

企業が目指す方向性や働く人の想いを深く伝えることで、価値観に共感した質の高い候補者の獲得に成功しています。

(2)オフィスや働く姿を視覚的にアピールする

あるデザイン会社では、Instagramでデザイン性の高いオフィス環境や社員が和やかに働く姿を写真や動画で紹介し、職場の雰囲気や空間の魅力をビジュアルで伝えています。

この取り組みにより、「この環境で働きたい」という意欲を引き出すとともに、デザイン会社としての特徴や魅力のアピールにも成功しています。

(3)社員の発信で親近感を生み出す

Xで若手採用担当者が、日々の業務をカジュアルな言葉遣いで発信する取り組みです。企業全体への親近感が生まれ、求職者との距離を近づけることに成功しています。

(4)入社後の働き方を伝える

ある製造業の企業は、TikTokで「新卒3年目社員の1日のルーティン」といったテーマの短い動画を配信しています。

求職者が入社後の働き方やキャリアパスを具体的にイメージできる発信により、安心感や期待感を与え、幅広い層からの応募につながります。

ターゲット設定が大切!SNS採用を成功させるポイント

SNS採用を成功させるには、以下のようなポイントを意識しましょう。

(1)明確なターゲット設定

自社の求める人材像を明確にし、職種・価値観・ライフスタイルまで具体的に考えます。ターゲットを明確にすることで、最適なSNS媒体の選定や響くコンテンツの企画をしやすくなります。

(2)中長期的な視点での運用体制の構築

認知度やブランド力を高めるには時間がかかるため、中長期的な視点で継続して運用することが重要です。

フォロワーとの信頼関係を築き、コンテンツの企画・制作・投稿・効果測定を定期的に行う運用体制を社内で確立するとよいでしょう。

(3)高品質なコンテンツやコミュニケーション

継続的な運用には大量に投稿するよりも、ターゲットにとって魅力的な質の高い情報を投稿することが大切です。

また、コメントやダイレクトメールに誠実かつスピーディーに返信することで、応募者との距離が縮まり、好感度を高められます。

(4)炎上防止策の徹底

SNSは拡散力が強い反面、不適切な発言や情報が瞬時に広がり、企業イメージを損なう、炎上リスクがあります。

社内でネットリテラシー研修を実施する、投稿前に複数人でチェックする、万が一炎上した場合の対応ガイドラインを事前に定めるなどの対策が重要です。

まとめ

SNS採用を成功させるには、各SNSの特徴を理解し、自社の採用ターゲットに合わせて戦略的に活用することが重要です。Xの拡散力やInstagramの視覚的訴求力など、それぞれの強みを活かしましょう。

採用成功には、中長期的な視点で継続的に運用する、明確なターゲットに向けた質の高いコンテンツを提供する、求職者との双方向コミュニケーションを通じてエンゲージメントを深めるには3つのポイントが重要です。

炎上リスクを回避するためのネットリテラシー教育と、管理体制の構築も忘れずに行いましょう

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