2026.03.16 採用

採用コストって平均どのくらい?高い理由を特定する方法も解説 

採用活動に取り組むうえで、避けて通れないのが採用コストの管理です。採用活動にかかる費用は企業規模や業界、職種によって大きく異なるため、自社の採用コストが適切なのか判断に迷う採用担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、採用コストの定義や平均相場、計算方法について解説します。さらに、採用コストが高騰する原因を特定する方法も紹介するので、自社の採用活動を見直す際の参考にしてください。

採用コストの定義や平均って?基礎知識について解説

最初に、採用コストの定義や平均といった基礎知識について解説します。

(1)採用コストとは

採用コストとは、企業の採用活動にかかった費用のことです。求人掲載や面接などの選考プロセス、雇用条件通知書の送付など、それぞれのプロセスで生じた費用を全て合計して算出します。

採用コストは大きく、外部コストと内部コストの2種類に分けられます。

・外部コスト

求人広告の掲載料や人材紹介会社へ支払う紹介手数料、採用イベントへの出展料など、社外のサービスを利用するために支払う費用のことです。

・内部コスト

採用コストのうち、外部コストに該当しない費用を指します。具体的には、採用担当者の工数や面接に対応する現場社員の人件費、リファラル採用で支払うインセンティブ、転職者に支給する交通費などです。多くの企業では外部コストのみを重要視する傾向にありますが、実際には採用担当者が候補者との調整に費やす時間や、面接に伴う移動費などの内部コストも無視できない金額になります。

(2)採用単価の算出方法

採用コストが適切かどうかを判断する指標として一般的に使われるのが、採用単価です。採用単価とは、採用1人あたりにかかった費用を指します。採用単価は、以下の計算式で求められます。

採用コスト総額÷採用人数=採用単価

たとえば、年間で300万円の外部コストと200万円の内部コストをかけ、合計10人を採用したとします。

採用コスト総額は500万円のため、それを10人で割ると、1人あたりの採用単価は50万円となります。採用単価を算出することで、前年度との比較や、異なる職種間での効率性の違いを可視化できるようになります。

(3)採用単価の平均と職種による違い

株式会社マイナビが発表した「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」によると、2024年の1社あたりの中途採用人数は平均20.8人、採用コスト総額は平均650.6万円でした。これより、中途採用の採用単価は、31.3万円です。

また、株式会社マイナビが発表した「2024年卒 企業新卒内定状況調査」によると、2024年の採用単価の平均は56.8万円です。

ただし、この数値はあくまで全職種の平均です。専門性の高いエンジニアや、高度なスキルを要するマネジメント層の採用では、人材紹介の利用がメインとなるため、年収の30%から35%程度が手数料となり、採用単価が200万円を超えるケースも珍しくありません。

一方、小売業やサービス業など比較的汎用的なスキルで対応できる職種では、採用コストは抑えられる傾向にあります。一方で近年は人手不足のため、求人サイトへの掲載が長期化するなど、採用コストがかさむケースも珍しくありません。

さらに、知名度の高い大手企業に比べ中小企業は、求人広告など認知を得るための施策が必要な分、採用コストが高くなる傾向にあります。

自社の数値を比較する際は、業界や職種、採用難易度、企業規模などを考慮した上で判断することが重要です。

手法によって採用コストは大きく異なる!代表的な手法について解説  

採用コストをコントロールするためには、各採用手法のコストにどのような傾向があるかを知り、適切に使い分けることが重要です。

ここでは手法別の特徴、厚生労働省が実施した「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」に基づく採用1件あたりの平均コストを紹介します。

(1)求人広告サイト

求人広告は、あらかじめ決められた掲載期間に対して料金を支払う掲載課金型が主流です。正社員の採用1件あたりにかかる平均コストは28.5万円です。

一度の掲載で複数の採用ができれば1人あたりの単価を大幅に抑えられるメリットがありますが、応募がゼロであっても費用が発生するリスクがあります。

大量採用を計画している場合や、広く社名を認知させたい場合に適した手法です。

(2)人材紹介(エージェント)

人材紹介は、採用が決定した段階で費用が発生する成功報酬型です。初期費用がかからないためリスクは低いですが、1人あたりの単価は年収に比例して高くなります。採用1件あたりの平均コストは、85.1万円です。

求める条件が厳しいピンポイントな採用や、採用担当者の工数を削減したい場合に有効な手段です。

(3)スカウトサービス

スカウトとは、企業がスカウトサービスのデータベースを活用し、転職希望者へ直接アプローチする採用手法です。スカウトサービスを利用した場合の採用1件あたりの平均コストは、91.4万円です。

スカウトサービスの利用料に加え、スカウト返信率を高めるための運用工数などの内部コストがかかるため、比較的費用は高めです。

自社が求める人材に絞ってアプローチできるため、ハイクラス人材や専門性の高い人材の採用に特に効果的です。

(4)リファラル採用

社員からの紹介による採用のため、広告費や紹介手数料がほとんどかからず、コストパフォーマンスが良い手法です。採用1件あたりの平均コストは、4.4万円です。

紹介してくれた社員へのインセンティブや、会食費などの経費は発生しますが、ミスマッチが少なく定着率も高く、長期的なコスト削減につながります。

採用コストが平均よりも高い理由を特定!採用ファネルについて解説

「平均よりも採用単価が高い」と感じる場合、原因を特定しなければ、有効な対策ができません。原因特定に有効な考え方が、採用ファネルです。

採用ファネルとは、「認知・応募・書類選考・面接・内定・承諾」という採用活動のプロセスごとに、候補者が絞られていく様子を整理したモデルです。各プロセスの通過率である「歩留まり」を算出することで、どこにボトルネックがあるかを見極められます。

たとえば、応募数は多いのに書類選考の通過率が極端に低い場合、求人票に記載しているターゲット像と、実際に集まっている層にズレが生じている可能性があります。この状態では、無駄な広告費や選考工数がかさみ、採用コストを押し上げる要因となりかねません。

面接から内定承諾に至るまでの承諾率が低い場合は、選考途中での動機付けが不足しているか、他社と比較して条件面で見劣りしている可能性が高いでしょう。最終的に辞退されると、面接などそれまでの工数が全て無駄になってしまいます。

このように各ステップの数値を可視化することで、応募を増やすために追加予算を投じる、選考プロセスを改善して離脱を防ぐなど、費用対効果の高い改善策が明確になります。

採用コストを左右する歩留まり率以外の主な要因は、採用スピードです。 採用に時間がかかればかかるほど、内部コストである人件費は膨らんでいきます。欠員が出ている期間が長引けば、既存社員の残業代や、機会損失という目に見えないコストも発生します。

紹介手数料がかかるものの、転職エージェントを利用して早期に優秀な人材を確保した方が、トータルでの経営コストを抑えられるケースがある点も重要です。

まとめ

採用コストは、採用にかかる総費用のことで、外部コストと内部コストを合計した数値です。採用コストを採用人数で割り、1人の採用にかかった費用である採用単価として可視化することで自社の採用活動の効率性を客観的に評価できます。 

ただし平均値は業界や職種、企業規模によって大きく異なるため、単純な比較ではなく自社の状況に応じた判断が必要です。 

採用ファネル分析を活用して各段階での通過率を数値化すれば、コスト高騰の原因を特定できます。データに基づいた改善策を実行し効率化を図ることで、採用費用を抑えつつ良い人材を獲得できる体制を構築できるでしょう。 

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